【実録】税務署から電話が来てから慌てて無申告を相談したケース

税務署からの電話と無申告の実録事例

目次

【実録】税務署から電話が来てから慌てて無申告を相談したケース

ある日突然、税務署から電話がかかってきたら、多くの方が動揺するはずです。
特に確定申告をしていない状況であれば、その不安は計り知れません。
この記事では、無申告の状態で税務署から連絡が来た場合、どのような経緯で発覚し、その後どうなるのかを解説します。

実際の税務調査のケースや、落ち着いて対処するために今すぐ取るべき行動、専門家への相談の重要性についても触れていきます。

この記事でわかること

  • 税務署から突然電話が来る主な理由
  • 無申告が発覚する代表的なパターン
  • 税務署の電話で聞かれる内容と答え方
  • 電話を無視した場合に起こりうるリスク
  • 無申告を指摘された後に取るべき対応

税務署から突然電話が…無申告が発覚する代表的な3つのパターン

税務署は、さまざまな情報網から個人の所得を把握しており、「申告していないからバレないだろう」という考えは通用しません。
税務署は、国税庁のKSK(国税総合管理)システムを用いて全国の納税者の情報を一元管理しています。

このシステムを通じて申告状況を把握しているため、収入があるにもかかわらず申告がない個人を容易に特定できます。
無申告が発覚するきっかけは一つではなく、複数の要因から調査対象として浮上することがあります。
税務署から書面で連絡が来た場合の対応については、税務署から手紙が来た!無申告はどう対応すべき?も参考になります。

パターン1:取引先や関係者への「反面調査」で発覚

税務署が無申告を把握するきっかけとして多いのが「反面調査」です。
これは、ある企業の税務調査を行う際に、その企業の取引先に対しても調査を行う手法を指します。

例えば、あなたの取引先企業に税務調査が入り、その企業があなたへ支払った報酬が経費として計上されていた場合、税務署はあなた自身の申告状況も確認します。
そこで申告がなければ、無申告であることが発覚し、連絡が来ることになります。

パターン2:銀行口座の大口入金や金の流れから特定

税務署は法律に基づき、調査対象者の銀行口座の取引履歴を照会する権限を持っています。
特に、継続的に大きな金額の入金があるにもかかわらず確定申告が行われていない場合、無申告を疑われる可能性が高まります。

近年はインターネット取引も活発化しており、フリマアプリやネットオークションでの売上、海外からの送金なども税務署の調査対象です。
これらの金の流れから所得の実態が把握され、無申告が特定されます。

パターン3:第三者からの情報提供(タレコミ)がきっかけに

国税庁のウェブサイトには「課税・徴収漏れに関する情報の提供」窓口が設置されており、誰でも匿名で情報を提供できます。
そのため、取引先との金銭トラブルや、個人的な恨みなどが理由で第三者から密告され、それがきっかけで税務調査に発展するケースも少なくありません。
密告された情報に信憑性があると税務署が判断した場合、本格的な調査が開始されることになります。

【落ち着いて対応】税務署の電話で聞かれる内容と正しい答え方

税務署から電話がかかってくると、冷静でいることは難しいかもしれません。
しかし、ここで慌てて不審な対応を取ると、状況を悪化させる可能性があります。
まずは深呼吸し、落ち着いて相手の話を聞くことが重要です。

電話の目的は、多くの場合、申告状況の事実確認です。
誠実に対応する姿勢を見せることで、その後の調査が円滑に進む可能性もあります。

税務署が電話で確認したい主な項目

税務署からの電話では、まず本人確認のために氏名、住所、生年月日などを聞かれます。
その後、収入に関する具体的な質問に移ります。
主な確認項目は、仕事の内容、収入を得始めた時期、おおよその年間収入、そして確定申告の有無です。

税務署がこれらの情報を確認する理由は、申告義務があるかどうか、あるとすればいつから無申告状態なのかという事実関係を把握するためです。

その場しのぎは危険!やってはいけないNG対応

電話口で動揺し、その場しのぎの嘘をつくことは絶対に避けるべきです。
「収入はなかった」「すでに申告は済ませた」といった虚偽の回答は、後々発覚した際に意図的な所得隠しと見なされ、重加算税という重いペナルティの対象になる可能性があります。
また、曖昧な返答を繰り返したり、感情的に反論したりするのも不審な印象を与えかねません。

正直に答えられない場合は、下手に取り繕わないことが賢明です。

まずは専門家へ相談するために時間を確保する伝え方

税務署からの電話で即答できない場合は、正直にその旨を伝え、時間を確保することが最善の策です。
「手元に資料がなく正確なことが分かりませんので、確認して後日こちらからご連絡します」や、「税理士と相談した上で、改めてご連絡させていただきたいです」といった伝え方が有効です。
これにより、冷静に状況を整理し、専門家へ相談する時間を確保できます。

税務署側も、誠実な対応であれば一方的に話を進めることは通常ありません。

【実例】無申告が税務調査で指摘されたケースと追徴税額

無申告が発覚すると、税務調査が行われ、本来納めるべき税金に加えてペナルティとしての税金が課されます。
実際にどのようなケースで、いくらくらいの追徴課税が発生するのでしょうか。
ここでは、無申告が税務調査で指摘された個人の実例をいくつか紹介します。

金額の大きさから、無申告のリスクを具体的に理解できるはずです。

実例1:5年間の副業収入の無申告で約200万円の追徴課税

会社員のAさんは、Webデザインの副業で年間約100万円の所得を得ていましたが、5年間にわたり確定申告をしていませんでした。
取引先への反面調査がきっかけで無申告が発覚し、税務調査の対象となりました。

結果として、5年分の所得税と住民税に加え、無申告加算税と延滞税が課され、追徴税額の合計は約200万円に上りました。
副業の無申告が税務署からの連絡につながるケースについては、【実録】副業の売上を申告していなかった会社員が税務署から連絡を受けたケースでも詳しく紹介しています。
この個人のケースでは、早期に修正申告したため重加算税は免れました。

実例2:個人事業主が売上除外を指摘され重加算税の対象に

建設業の一人親方であるBさんは、数年間にわたり、一部の売上を現金で受け取り、申告から除外していました。
税務署は銀行口座の調査や取引先への聞き込みからこの事実を把握。
意図的な所得隠し、つまり「仮装・隠蔽」があったと判断され、通常の無申告加算税に代わり、最も重いペナルティである重加算税(35%または40%)が課されました。

重加算税の判断や回避の考え方については、税務調査で重加算税の指摘を受けた!重加算税は回避できるのか?でも詳しく解説しています。
この個人のケースでは、追徴税額は本税の1.5倍近くに膨れ上がりました。

実例3:海外からの送金履歴で無申告が発覚したケース

インターネットを利用したビジネスで海外の企業から報酬を得ていたCさんは、海外からの送金であれば発覚しないだろうと考え、確定申告をしていませんでした。
しかし、税務署は「国外送金等調書」を通じて国外との資金移動を把握しています。
銀行の送金履歴から無申告が発覚し、税務調査が行われました。

結果、この個人のケースでも数年分の所得について多額の追徴課税が課されることになりました。

税務署からの電話を無視し続けるとどうなる?起こりうる5つの末路

税務署からの電話や通知を無視し続けることは、事態を深刻化させるだけで、何の解決にもなりません。
最初は任意での協力を求める連絡ですが、応答がない場合、税務署は法律に基づいて段階的に強制力のある手続きへと移行していきます。
ここからは、連絡を無視し続けた場合に起こりうる5つの末路について解説します。

1. 無申告加算税や延滞税が課され納税額が増える

申告期限内に申告しなかった場合、ペナルティとして「無申告加算税」が課されます。無申告加算税の税率は、税務署の調査を受けた後に期限後申告をした場合等には、納付すべき税額が300万円を超える部分に対して30パーセントの割合が適用されることがあります。さらに、納付期限の翌日から完納する日までの日数に応じて「延滞税」も発生します。時間が経過するほど延滞税は増え続け、納税総額は膨らんでいきます。

2. 悪質と判断されると最も重い「重加算税」が課される

電話連絡や通知を意図的に無視し続ける行為は、税務署に「納税の意思がない」「何かを隠している」という不審な印象を与え、悪質なケースと判断される可能性があります。
その結果、意図的に税金を免れようとしたと見なされ、無申告加算税に代わって、税率が最大40%にもなる「重加算税」が課されるリスクが高まります。

3. 自宅や事務所への強制的な税務調査(査察)が入る

電話や書面での連絡に応じない場合、税務署の調査官が予告なしに自宅や事務所を訪問する「実地調査」が行われます。
それでも協力を拒否し続けると、裁判所の許可を得て強制的に調査を行う「査察」に切り替わる可能性があります。
税務調査の事前通知や無予告調査への対応については、税務調査の事前通知・無予告調査とは?どう対応すれば良い?でも解説しています。
査察では、関係書類やパソコンのデータなどを強制的に差し押さえる権限があり、拒否することはできません。

4. 銀行口座や不動産などの財産が差し押さえられる

税務調査の結果、納税額が確定しても納付しない場合、国税徴収法に基づく「滞納処分」が行われます。
具体的には、預金、給与、自動車、不動産といった個人の財産が差し押さえられ、強制的に税金の支払いに充てられます。

給与の差し押さえは勤務先にも連絡がいくため、社会的な信用を失うことにもつながります。

5. 「ほ脱」として刑事罰に発展する可能性もある

特に悪質で高額な所得隠しは、単なる行政罰では済まされず、「ほ脱」として刑事事件に発展する可能性があります。
偽りその他不正な行為により納税を免れた場合、10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科されることがあります。
個人の人生を大きく左右する、最も重い結末です。

今からでも遅くない!無申告を指摘された後に取るべき3つの行動

税務署から電話があったとしても、すぐに行動を起こせば最悪の事態を回避できる可能性は十分にあります。
パニックにならず、一つずつ着実に対応していくことが重要です。
ここからは、無申告を指摘された後、直ちに取るべき具体的な3つのステップを解説します。

適切な初動が、その後の税務調査や納税額に大きく影響しますので、専門家への相談も視野に入れましょう。

STEP1:すぐに無申告案件に強い税理士を探して相談する

最初に行うべき最も重要な行動は、税理士に相談することです。
特に、無申告や税務調査の対応経験が豊富な税理士を選ぶことがポイントです。

無申告を税理士に相談するメリットについては、無申告を税理士に相談するメリットとはでも詳しく解説しています。
専門家である税理士に相談すれば、現在の状況を客観的に分析し、今後の最適な対応策をアドバイスしてくれます。
また、税務署との交渉窓口にもなってくれるため、精神的な負担を大幅に軽減できます。

STEP2:過去数年分の収入と経費がわかる資料を準備する

税理士への相談やその後の税務調査に備えて、過去の収入と経費に関する資料をできる限り集めましょう。
具体的には、売上がわかる請求書や銀行の入出金明細、経費の支払いがわかる領収書やクレジットカードの明細などです。
資料が不足している場合でも、記憶を頼りにメモを作成するなど、正直に状況を伝える準備をすることが、円滑な調査対応につながります。

STEP3:税務調査の前に「期限後申告」で自主的に申告する

税務署から税務調査の事前通知が来る前に、自主的に「期限後申告」を行うことで、ペナルティを軽減できる可能性があります。
調査通知前に自主的に申告した場合、無申告加算税の税率が5%に軽減されます。
期限後申告の具体的な進め方については、無申告の確定申告|やり方をわかりやすく解説も参考になります。
税務署からの電話があった時点でも、まだ調査通知が来ていなければこの軽減措置を受けられる可能性があるため、税理士と相談の上、迅速に申告手続きを進めることが賢明です。

税務署との交渉やペナルティ軽減も!税理士に相談する3つのメリット

無申告の状態で税務署と直接対峙するのは、精神的に大きな負担がかかります。
また、税法の知識がなければ、本来支払う必要のない税金まで納めてしまう可能性も否定できません。
専門家である税理士に相談することは、こうしたリスクを回避し、納税者にとって有利な状況を作り出すための最善手です。

メリット1:税務署とのやり取りをすべて代行してもらえる

税理士に依頼する最大のメリットの一つは、税務署からの電話対応や交渉、税務調査の立ち会いなど、すべてのやり取りを代行してもらえる点です。
専門家が窓口となることで、精神的なプレッシャーから解放され、本業や日常生活に集中できます。
税務署側も、専門家が対応することで話がスムーズに進むため、円滑な解決が期待できます。

メリット2:加算税の軽減措置を受けられる可能性がある

税務調査の前に自主的に期限後申告を行うことで、無申告加算税が軽減されることは前述の通りです。
税理士に依頼すれば、この手続きを迅速かつ正確に進めてくれます。

また、税務調査においても、経費の計上漏れがないかなどを専門的な視点からチェックし、納税者にとって不利にならないよう交渉してくれるため、最終的な納税額を適正な範囲に抑えることが可能です。

メリット3:正確な申告と納税計画で精神的な不安から解放される

税理士が介入することで、過去の申告内容を正確に計算し、追徴税額が明確になります。
これにより、「一体いくら払わなければならないのか」という漠然とした金銭的な不安が解消されます。
また、一括での納付が困難な場合には、税務署との納税猶予や分割納付の交渉も代行してくれます。

個人の実情に合った納税計画を立てることで、経済的にも精神的にも安定を取り戻し、再スタートを切ることができます。

税務署 電話 無申告 実例に関するよくある質問

ここでは、税務署からの電話や無申告に関する、多くの方が抱く疑問について回答します。
個人の状況によって詳細は異なりますが、一般的な対応を知っておくことで、いざという時に落ち着いて行動できます。

税務調査では何年分さかのぼって調べられますか?

通常の税務調査では、申告漏れなどがあった場合、過去3年分まで遡って調査されるのが一般的です。
しかし、意図的な所得隠しなど悪質なケースと判断された場合は、最大で7年分まで遡って調査されることがあります。

追徴課税を一括で支払えない場合、分割払いは可能ですか?

はい、可能です。
追徴課税を一括で支払うことが困難な場合、税務署に申請し、認められれば原則として1年以内の期間で分割して納付できます。
個人の経済的な事情などを具体的に説明し、誠実に相談することが重要です。

税理士への相談や依頼にはどのくらいの費用がかかりますか?

費用は税理士事務所や依頼内容によって異なります。
一般的に、初回の相談は無料から1万円程度が相場です。
無申告の確定申告を依頼する場合、1年分あたり10万円からが目安ですが、無申告の年数や作業量によって変動します。

まとめ

税務署から無申告に関する電話があった場合、決して無視をせず、誠実に対応することが重要です。
その場しのぎの嘘は状況を悪化させるだけです。
まずは時間を確保し、速やかに無申告案件に強い税理士へ相談してください。

専門家のサポートを受けながら適切な手順を踏むことで、ペナルティを最小限に抑え、税務調査という大きな不安を乗り越えることが可能です。

税務署から電話が来て不安な方へ

税務署からの連絡を無視したり、その場しのぎで回答したりすると、状況が悪化する可能性があります。まずは資料を整理し、税理士に相談した上で、期限後申告や税務署対応を進めましょう。

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この記事を書いた人

武信 隼人(たけのぶ はやと)
武信 隼人(たけのぶ はやと)公認会計士・税理士
所属 公認会計士協会中国会 中国税理士会
公認会計士  第31637号
税理士 第128479号

1977年広島県呉市生まれ。会社が倒産した祖父と同業で起業した父の後ろ姿を見て育つ。青山学院大学経済学部卒業後、大手監査法人で幅広い業種の監査やコンサルティング業務を経験。その後、祖父及び父の経営していたような中小企業や個人事業主・フリーランスを助けるべく奮闘中。
日本全国の無申告・税務調査の対応件数は過去4年間で700件以上。IT/AIを駆使した業務効率化とサービス提供を行い、多くのお客様に最善のサポートを行っている。

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