無申告の確定申告を税理士に頼む費用相場|1年・3年・5年で解説

無申告の確定申告を税理士に頼む費用相場についてのアイキャッチ
無申告の確定申告を税理士に依頼する場合、「税理士費用はいくらかかるのだろう」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
「1年だけ申告していない」 「3年分まとめて申告したい」 「気づけば5年近く確定申告をしていない」 など、状況は人によって異なります。
無申告 の税理士費用は、単純に「1年分の料金×年数」で決まるわけではありません。
売上規模、取引件数、帳簿の有無、領収書や通帳などの資料がどの程度残っているか、消費税申告が必要かなどによって大きく変わります。
この記事では、無申告の確定申告を税理士に依頼した場合の費用について、1年・3年・5年に分けて分かりやすく解説します。
この記事でわかること ・無申告1年・3年・5年の税理士費用の目安 ・税理士費用が高くなるケース ・記帳代行や消費税申告などの追加費用 ・税理士費用を抑えるためのポイント ・依頼前に確認しておきたい料金項目

目次

無申告1年・3年・5年の税理士費用の目安

税理士報酬には全国一律の料金が決められているわけではありません。
同じ1年分の無申告でも、すでに帳簿が完成している人と、通帳や領収書から1年間の取引を作り直す人では、税理士側の作業量が大きく異なります。
そのため、以下の金額はあくまで大まかな目安として考えてください。
無申告の税理士費用の大まかな目安
1年分 個人:5万〜20万円程度 法人:15万〜30万円程度から
3年分 個人:15万〜60万円程度 法人:45万〜90万円程度から
5年分 個人:25万〜100万円程度 法人:75万〜150万円程度から
※実際の料金は売上、取引件数、資料の状態、記帳代行の有無、消費税申告などによって変わります。

無申告1年の場合

個人事業主やフリーランスが1年分の無申告を税理士へ依頼する場合、5万〜20万円程度が一つの目安です。
すでに会計ソフトへ入力しており帳簿が完成している場合は比較的安く済むことがあります。
一方、領収書・通帳・カード明細などから1年間の帳簿を作る必要がある場合は、記帳代行料金が追加されることがあります。
法人では、決算書や法人税申告書などの作成が必要になるため、一般的に個人より費用が高くなる傾向があります。

無申告3年の場合

3年分をまとめて依頼する場合、個人では15万〜60万円程度、法人では45万〜90万円程度からが大まかな目安です。
ただし、3年分だから必ず1年分の料金が3倍になるとは限りません。複数年をまとめて依頼した場合の料金設定を用意している税理士事務所もあります。
一方で、古い年度ほど資料が見つかりにくく、通帳の再発行や取引内容の確認などに時間がかかることがあります。

無申告5年の場合

5年分になると、個人でも25万〜100万円程度、法人では75万〜150万円程度以上になることがあります。
5年間すべての通帳、売上資料、経費資料を年分ごとに整理する必要があり、取引数が多い事業では作業量も大きくなります。
また、年度によって消費税申告が必要になるケースでは、その年分の消費税申告料が別途必要になることがあります。

無申告の税理士費用は何に対して発生する?

見積もりを見るときは、総額だけでなく「その料金に何が含まれているか」を確認することが重要です。

申告書・決算書の作成費用

税理士が所得や経費を確認し、確定申告書や決算書などを作成して提出する基本料金です。
複数年の無申告では、年分ごとに申告書を作成するため、申告する年数が増えるほど作業も増えます。

記帳代行費用

過去の帳簿を作っていない場合は、通帳、領収書、請求書、カード明細などから取引を整理し、帳簿を作成する必要があります。
この作業を税理士事務所へ任せる場合、申告料金とは別に記帳代行料金が発生することがあります。
特に取引件数が多い場合は、仕訳数に応じて料金が増える料金体系もあります。

消費税申告の費用

所得税や法人税の申告とは別に、消費税の申告が必要な年度がある場合は、消費税申告料金が追加されることがあります。
売上が1,000万円を超えているから必ずその年に消費税申告が必要になる、という単純な判定ではありません。基準期間や特定期間、インボイス登録の有無などを確認する必要があります。

税務調査対応の費用

税務署から税務調査の連絡が来ている場合、通常の期限後申告とは別に、税務調査への立会いや税務署対応の料金が発生することがあります。
すでに税務署から手紙が届いている場合の対応については、 税務署から手紙が来た!無申告はどう対応すべき? もご覧ください。

税理士費用とは別に税金・加算税が必要になることがある

税理士へ支払う料金と、税務署へ支払う税金は別です。
期限後申告をすると、本来納付する所得税・法人税・消費税などに加えて、 無申告加算税 や延滞税が発生する場合があります。
また、帳簿の改ざんや売上の隠蔽など、仮装・隠蔽と判断される事情がある場合には、重加算税が問題になることもあります。
「税理士費用」だけで予算を考えないことが大切 見積もりを取る際は、税理士報酬だけでなく、申告によって発生する本税・加算税・延滞税についても、おおよその見通しを確認しておくと安心です。

無申告の税理士費用が高くなりやすいケース

帳簿をまったく作っていない

帳簿がない場合、税理士事務所側で過去の取引を一から整理する必要があります。
取引数が多いほど記帳作業も増えるため、料金へ影響しやすくなります。

領収書・請求書などの資料が不足している

領収書がないからといって、直ちにすべての経費が計上できなくなるわけではありません。
カード明細、銀行振込、請求書、メールなど、取引を確認できる別の資料が残っている場合があります。
領収書をなくした場合にどのような資料を探せばよいか詳しく知りたい方は、 無申告で領収書をなくした場合の対処法 をご覧ください。

売上や取引数が多い

売上規模そのものだけでなく、銀行口座、クレジットカード、取引先などが多いほど確認作業が増える傾向があります。

税務署からすでに連絡が来ている

単に期限後申告を作るだけの場合と、税務署から問い合わせや税務調査の連絡が来ている場合では、税理士に依頼する業務範囲が異なります。
税務署対応まで依頼する場合は、通常の申告料金とは別料金になることがあるため、見積もり時に確認しましょう。

無申告の税理士費用をできるだけ抑える4つのポイント

1.手元にある資料をまとめておく

資料が整理されているほど、税理士側の確認・記帳作業を減らせる可能性があります。
ただし、自分で無理に勘定科目ごとへ完璧に分類する必要はありません。まずは年ごと・月ごとにまとめるだけでも十分です。
無申告を解消するときに集めておきたい資料については、 無申告を解消するために最初に集める資料一覧 をご覧ください。

2.無申告年数や売上を最初から正確に伝える

「実はもう1年申告していなかった」「消費税申告も必要だった」と契約後に判明すると、追加料金が必要になることがあります。
分かる範囲で構わないので、最初の相談時に状況をできるだけ正確に伝えましょう。

3.料金だけでなく作業範囲を比較する

A事務所が10万円、B事務所が15万円だったとしても、A事務所は記帳代行が別料金、B事務所は記帳代行まで含むということがあります。
表示価格だけでなく、最終的に必要になる総額で比較しましょう。

4.無申告をさらに放置しない

無申告の年数が増えれば、それだけ申告書や帳簿を作成する年度も増えます。
さらに延滞税などの負担も増える可能性があるため、「もう数年放置しているから今さら同じ」と考えず、現状を確認することが重要です。

無申告を税理士に相談してから申告するまでの流れ

STEP1.無申告の状況を伝える

何年分申告していないのか、個人か法人か、おおよその売上、税務署から連絡が来ているかなどを伝えます。

STEP2.資料の状況を確認する

通帳、カード明細、売上資料、領収書など、現在手元に何が残っているかを確認します。

STEP3.見積もりを確認する

申告年数や資料の状態を確認した後、税理士事務所から見積もりを受けます。
見積もりで確認したい項目 ・申告書作成料金 ・記帳代行料金 ・消費税申告料金 ・税務署対応料金 ・税務調査対応料金 ・追加料金が発生する条件

STEP4.帳簿・申告書を作成して提出する

契約後、提出した資料をもとに帳簿・決算書・申告書などを作成します。
申告内容と納税額を確認した後、税務署へ期限後申告を行います。

税金を一括で払えない場合はどうする?

数年分をまとめて申告すると、税理士費用以上に「納税額を一括で払えるか」が問題になることがあります。
税金は原則として期限までに納付する必要がありますが、一定の要件を満たす場合には、換価の猶予や納税の猶予などの制度を利用できる場合があります。
猶予が認められるかどうかは税務署の判断となるため、「税理士に頼めば必ず分割払いにできる」というものではありません。

無申告の税理士費用だけで依頼先を決めない

無申告が1年だけで、帳簿も完成している場合は、料金を中心に比較しても大きな差が出にくいかもしれません。
しかし、3年・5年の無申告、資料不足、税務署から連絡が来ているケースなどでは、料金だけでなく対応経験や業務範囲も確認することが重要です。
無申告についてさらに詳しく知りたい方は、 無申告に関する記事一覧 もご覧ください。

無申告の税理士費用に関するよくある質問

無申告1年だけでも税理士に頼めますか?

はい。1年分だけの期限後申告に対応している税理士事務所もあります。
帳簿ができているか、資料整理から必要なのかによって料金が変わるため、現在の状態を伝えて見積もりを取りましょう。

3年分・5年分をまとめて依頼すると安くなりますか?

税理士事務所によって料金体系が異なります。複数年をまとめて依頼する料金設定がある事務所もありますが、資料が不足している場合などは作業量が増え、単純に安くなるとは限りません。

領収書がほとんどなくても依頼できますか?

領収書が不足していても、通帳、カード明細、請求書、購入履歴など別の資料から確認できる場合があります。
ただし、資料がないから自由に経費を推計できるわけではありません。残っている客観的な資料をできるだけ集めることが大切です。

税理士費用を一括で払えない場合はどうすればよいですか?

税理士報酬の支払方法は事務所ごとに異なります。分割払いに対応しているかどうかは、契約前に税理士事務所へ確認してください。

税理士に頼めば税金も安くなりますか?

必ず安くなるとは限りません。
税理士へ依頼する目的は、本来必要な売上・経費・控除などを適切に整理し、正しい申告を行うことです。その結果として、経費や控除の計上漏れが見つかり、税額が当初想定より少なくなるケースはあります。

無申告を解消した後は毎年の申告をためない仕組みを作る

過去分の無申告を解消しても、翌年からまた確定申告をしなければ、同じ状態を繰り返してしまいます。
無申告になった理由が「経理が苦手」「忙しくて毎年後回しになる」という場合は、今後の記帳や確定申告を仕組み化することも検討しましょう。
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まとめ|無申告の税理士費用は年数だけで決まらない

無申告の確定申告を税理士に依頼する場合、1年・3年・5年と申告年数が増えるほど、基本的には費用も増える傾向があります。
ただし、実際の料金を大きく左右するのは、年数だけではありません。
帳簿の有無、取引件数、資料の保存状況、消費税申告の必要性、税務署から連絡が来ているかなどを確認したうえで見積もりを取ることが大切です。
「資料が揃ってから相談しよう」と考えてさらに時間が経つよりも、まず現在の状況を伝えて、何が必要なのか確認するところから始めましょう。
何年も確定申告をしていない方へ 無申告の年数や資料の状態が分からなくても相談できます。
まずは現在の状況を整理するところから始めましょう。
無申告について相談する

この記事を書いた人

武信 隼人(たけのぶ はやと)
武信 隼人(たけのぶ はやと)公認会計士・税理士
所属 公認会計士協会中国会 中国税理士会
公認会計士  第31637号
税理士 第128479号

1977年広島県呉市生まれ。会社が倒産した祖父と同業で起業した父の後ろ姿を見て育つ。青山学院大学経済学部卒業後、大手監査法人で幅広い業種の監査やコンサルティング業務を経験。その後、祖父及び父の経営していたような中小企業や個人事業主・フリーランスを助けるべく奮闘中。
日本全国の無申告・税務調査の対応件数は過去4年間で700件以上。IT/AIを駆使した業務効率化とサービス提供を行い、多くのお客様に最善のサポートを行っている。

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