無申告に強い税理士の選び方|失敗しないための7つのチェックポイント

「何年も確定申告をしていない」「税務署から手紙や電話が来てしまった」「領収書もほとんど残っていない」
このような状況で、税理士を探している方も多いのではないでしょうか。
無申告 は、一般的な確定申告と比べて確認しなければならないことが多く、 どの税理士に依頼しても対応内容が同じとは限りません。
過去の売上や経費の整理、複数年分の帳簿作成、期限後申告、税務署からの問い合わせへの対応など、現在の状況に合わせた対応が必要になります。
無申告の税理士選びで確認したい7つのポイント 1.無申告・期限後申告の対応実績 2.複数年分の申告に対応できるか 3.領収書や帳簿が不足していても対応できるか 4.税務署とのやり取りまで任せられるか 5.料金と追加料金が明確か 6.状況を正直に相談しやすいか 7.申告後の納税方法まで相談できるか
この記事では、 無申告に強い税理士を選ぶ際に確認したいポイント を、状況別にわかりやすく解説します。

目次

無申告の相談はどの税理士に頼んでも同じではない

税理士であれば確定申告書を作成できますが、無申告案件では通常の確定申告とは違った対応が必要になることがあります。
たとえば3年、5年と申告していなければ、年分ごとに売上や経費を確認し、過去の資料から帳簿を作り直さなければなりません。
さらに、税務署からすでに連絡が来ている場合には、現在どの段階まで手続きが進んでいるのかを確認したうえで対応する必要があります。

無申告・期限後申告の対応経験が重要な理由

通常の確定申告では、1年間の帳簿をもとに申告書を作成するケースが一般的です。
一方、無申告では、過去数年分の資料を整理したり、不足している資料を集め直したりする必要があります。
そのため税理士を選ぶときは、単に「確定申告を扱っているか」ではなく、 無申告や期限後申告を日常的に扱っているか を確認することが大切です。

通常の確定申告と無申告案件では確認することが増える

無申告の場合は、所得税だけを考えればよいとは限りません。
事業内容や過去の売上によっては、消費税や住民税、事業税などにも影響する場合があります。
また、期限後申告では 無申告加算税 や延滞税が発生することがあります。仮装・隠蔽があったと認められる場合には、無申告加算税に代えて重加算税が課される場合もあります。

税務署から連絡が来ている場合は特に早めに相談する

まだ税務署から連絡がない場合と、すでに手紙・電話・税務調査の連絡が来ている場合では、対応の優先順位が異なります。
税務署から連絡が来ているからといって、その時点で税理士へ相談できなくなるわけではありません。
ただし、税務調査の事前通知があるかなどによって、無申告加算税の扱いが変わることがあります。連絡を放置せず、現在の状況を早めに確認することが重要です。
税務署から届いた手紙をどう見ればよいか、最初に何を確認すべきか知りたい方は、 税務署から手紙が来た場合の対応方法 もご覧ください。

無申告に強い税理士を選ぶ7つのチェックポイント

ここからは、実際に税理士へ問い合わせるときに確認したい7つのポイントを紹介します。

1.無申告・期限後申告の対応実績が豊富か

最初に確認したいのが、 無申告案件をどの程度扱っているか です。
通常の確定申告だけではなく、複数年の無申告、資料不足、税務署から連絡が来た後の案件など、さまざまなケースに対応しているか確認しましょう。
ホームページでは、「無申告対応可」と書いてあるかだけでなく、無申告に関する解説記事や対応事例、税務調査への対応内容なども確認すると判断しやすくなります。

2.何年分の無申告でも相談できるか

1年だけ申告していないケースと、3年・5年など複数年にわたって申告していないケースでは、必要な作業量が大きく異なります。
税理士事務所によっては、1年分の期限後申告には対応していても、複数年分をまとめた案件を受けていない場合があります。
問い合わせ時には、 「何年分申告していないのか」 を最初に伝えましょう。

3.領収書や帳簿が不足している場合にも対応できるか

何年も申告していない場合、すべての領収書や請求書が残っていないケースも珍しくありません。
その場合でも、領収書がないという理由だけですぐに申告を諦める必要はありません。
通帳、クレジットカード明細、振込履歴、請求書、ネットショップの購入履歴など、残っている資料から取引内容を確認できる場合があります。
重要なのは、 資料が不足していることを隠さず、最初から税理士へ伝えること です。
領収書が残っていないときに、どの資料から経費を確認できるのか詳しく知りたい方は、 無申告で領収書をなくした場合の対処法 もご覧ください。

4.税務署とのやり取りまで任せられるか

無申告の申告書を作成するだけなのか、税務署から問い合わせが来た場合の対応まで依頼できるのかも確認しましょう。
税理士は、委任を受けた範囲で税務代理を行うことができます。そのため、申告書の提出だけでなく、税務署からの問い合わせや税務調査への対応を依頼できる場合があります。
契約前に確認しておきたいこと
「申告書を作って提出するところまでですか?」だけでなく、 「提出後に税務署から連絡があった場合も対応してもらえますか?」 まで確認しておくと安心です。

5.料金体系と追加料金が明確か

無申告案件の料金は、申告年数、売上規模、取引件数、資料の状態、消費税申告の有無などによって変わります。
そのため、ホームページに書かれている一番安い料金だけで比較するのではなく、最終的にどこまで対応してもらえるのかを確認しましょう。
見積もりで確認したい項目 ・何年分の申告料金が含まれているか ・記帳代行料金が含まれているか ・消費税申告は別料金か ・税務署対応は含まれているか ・税務調査になった場合はいくらかかるか ・追加料金が発生する条件は何か

6.相談しやすく状況を正直に話せる税理士か

無申告を解消するためには、現在の状況を税理士へ正確に伝える必要があります。
「何年間申告していないのか」「資料がどの程度残っているのか」「税務署から連絡が来ているのか」などを隠してしまうと、適切な対応方針を決めにくくなります。
初回相談では、 こちらの話を丁寧に聞いてくれるか、分かりやすく説明してくれるか も確認しましょう。

7.申告後の納税方法まで相談できるか

複数年分をまとめて申告すると、所得税などの本税だけでなく、無申告加算税や延滞税などが発生する場合があります。
そのため、「申告書を作ったら終わり」ではなく、 税額が確定した後の納付についても相談できるか を確認しておくことが重要です。
国税を一度に納付することで事業の継続や生活の維持が難しくなる場合などには、一定の要件を満たせば「換価の猶予」や「納税の猶予」が認められる場合があります。
猶予が認められるかどうかは税務署の判断になるため、資金状況を整理し、必要な手続きについて相談しましょう。

無申告の状況別に確認したい税理士の選び方

同じ「無申告」でも、現在の状況によって税理士へ求める対応は変わります。

1年だけ申告していない場合

1年だけ期限を過ぎている場合は、まず必要な資料を揃えて期限後申告を進めます。
記帳ができている場合は比較的スムーズですが、1年分の帳簿をまったく作っていない場合は、記帳代行まで依頼できるか確認するとよいでしょう。

3年・5年など複数年を申告していない場合

複数年の場合は、年分ごとに売上・経費・控除を整理する必要があります。
「古い年分だからもう何もしなくてもいい」と自己判断せず、どの期間について対応が必要なのか税理士へ確認しましょう。

領収書や帳簿を残していない場合

資料が不足している場合は、最初に現在残っているものを確認します。
通帳やカード明細、取引先から受け取った請求書、ネット上の購入履歴などを確認しましょう。

税務署から手紙や電話が来ている場合

まず、いつ・どの税務署から・どのような連絡が来たのかを税理士へ伝えましょう。
書面が届いている場合は、その書面自体を見てもらうのが確実です。電話だけの場合も、担当者名、税務署名、聞かれた内容、次回の連絡予定などをメモしておきましょう。

税務調査の連絡を受けている場合

税務調査の事前通知を受けている場合は、通常の期限後申告より対応の緊急度が高くなります。
調査日、対象税目、対象期間など、税務署から伝えられた内容を整理し、できるだけ早く税務調査対応が可能な税理士へ相談しましょう。
税務署から電話で連絡を受けた場合の初動や、確認しておきたい内容については、 無申告で税務署から電話が来たときの対応 もご覧ください。

無申告を税理士に相談すると何をしてもらえる?

対応範囲は税理士事務所や契約内容によって異なりますが、一般的には次のようなサポートを依頼できます。

過去の売上や経費を整理する

通帳、請求書、領収書、カード明細などから、申告対象となる年分ごとに売上と経費を整理します。
資料が不足している場合は、何を再取得できるか、どの資料から取引を確認できるかを検討します。

帳簿を作成して期限後申告を行う

記帳代行まで契約に含まれていれば、集めた資料から帳簿を作成し、所得や税額を計算します。
そのうえで期限後申告書を作成し、税務署へ提出します。

無申告加算税や延滞税などを確認する

期限後申告では、本来の税金以外にも無申告加算税や延滞税が発生することがあります。
税務調査の事前通知前に自主的に期限後申告した場合と、通知後・調査後に申告した場合では、無申告加算税の扱いが異なることがあります。
実際の適用割合は申告時期や税額などによって異なるため、自分の場合にどのようになるのか税理士へ確認しましょう。

税務署からの連絡や問い合わせに対応する

税務代理を依頼している場合、税理士が税務署との窓口となって対応できる範囲があります。
自分だけで税務署からの質問に対応するのが不安な場合は、問い合わせ対応まで契約に含まれているか確認しましょう。

一括納付が難しい場合の対応を相談する

税額が確定しても、資金の状況によってはすぐに全額を納付できないことがあります。
その場合は放置するのではなく、早めに税務署へ相談することが重要です。要件を満たす場合には、納税の猶予や換価の猶予が利用できることがあります。

こんな税理士の選び方には注意

料金の安さだけで決める

無申告案件では、料金だけではサービス内容を比較できません。
記帳代行、消費税申告、税務署対応などが別料金になっている場合もあるため、最終的に必要になる総額と対応範囲を比較しましょう。

無申告案件の対応経験を確認しない

一般的な確定申告を多数扱っていても、無申告や税務署対応を多く扱っているとは限りません。
自分と近い状況の案件について対応経験があるか確認してみましょう。

どこまで対応してくれるか確認しない

「税理士に依頼したからすべて任せられる」と思っていたものの、実際には帳簿作成が別料金だった、税務調査対応は契約外だった、ということも考えられます。
契約前に業務範囲を明確にしておきましょう。

税務署から連絡が来ていることを伝えない

税務署から手紙や電話が来ている場合は、必ず最初に税理士へ伝えてください。
調査の事前通知があるかどうかなどによって、その後の手続きや加算税の扱いが変わる可能性があります。

無申告を税理士に相談する前に準備しておきたいもの

最初からすべて完璧に揃える必要はありません。まずは現在手元にあるものを確認しましょう。

通帳やクレジットカード明細

事業で使っていた銀行口座やクレジットカードがあれば、対象期間の明細を準備します。Web明細しかない場合は、過去分をどこまで取得できるか確認してみましょう。

売上が分かる資料

請求書、売上台帳、入金履歴、決済サービスの履歴など、売上金額を確認できる資料を集めます。

領収書・請求書・ネットの購入履歴

紙の領収書だけでなく、メールで受け取った請求書やネットショップの注文履歴なども確認しましょう。

税務署から届いた手紙や通知書

税務署から受け取った書類がある場合は、捨てずにそのまま税理士へ見せてください。内容によって必要な対応が変わります。

資料がなくてもまずは相談してよい

「全部揃ってから相談しよう」と考えているうちに、さらに時間が経過してしまうケースがあります。
何が足りないのか分からない場合こそ、現在ある資料だけで一度相談し、今後集めるものを整理した方が進めやすいでしょう。

無申告の税理士選びに関するよくある質問

無申告でも税理士に相談できますか?

はい。無申告の状態でも税理士へ相談できます。
無申告・期限後申告を扱っている税理士であれば、現在の状況を確認したうえで、必要な資料や今後の手続きを整理してもらえます。

領収書がなくても依頼できますか?

領収書がすべて残っていなくても、すぐに依頼できないと決まるわけではありません。
通帳、カード明細、振込履歴、請求書など、ほかの資料で取引を確認できる場合があります。
ただし、根拠のない金額を自由に経費として計上できるわけではありません。残っている客観的な資料から、できるだけ正確に整理することが重要です。

税務署から連絡が来てからでも相談できますか?

相談できます。ただし、税務調査の事前通知が来ているなど、状況によっては早急な対応が必要です。
税務署から届いた書面や電話の内容を整理し、できるだけ早めに相談しましょう。

何年も無申告でも対応してもらえますか?

複数年の無申告に対応している税理士事務所もあります。
必要な対応期間は個別事情によって異なるため、「もう古いから申告しなくてよい」と自己判断せず、無申告期間をすべて伝えて確認してください。

税理士に相談した内容が勝手に税務署へ伝わることはありますか?

税理士には法律上の守秘義務があります。
ただし、正式に期限後申告を依頼すれば、必要な申告書を税務署へ提出することになります。まずは相談段階で現在の状況を正確に伝え、今後どのように進めるのか説明を受けましょう。

税金を一括で払えない場合も相談できますか?

相談できます。
国税を一時に納付することで事業の継続や生活の維持が困難になる場合などには、一定の要件を満たすことで猶予制度を利用できる場合があります。
猶予が認められるかどうかは税務署の判断になりますが、資金状況の整理や必要な手続きについて税理士へ相談できます。

無申告を解消した後も確定申告を続けることが大切

過去分を期限後申告したら、それで終わりではありません。
無申告を解消した後は、今年分以降の帳簿を整え、今後は期限内に申告できる状態を作ることが重要です。
過去分を解消した後、今後の 個人事業主の確定申告 をどう進めるか整理したい方は、タクバツの記事も参考にしてください。

今年分の帳簿は早めに整理しておく

過去分の処理が終わったら、現在進行している年分の領収書や売上資料も整理しましょう。
再び数年分をためてしまわないように、毎月資料を整理する仕組みを作ることが大切です。

毎年の確定申告が負担なら、今後は丸投げする方法もある

無申告になった理由が、 「経理が苦手だった」 「仕事が忙しくて確定申告を後回しにしてしまった」 という場合は、過去分を解消した後の仕組みづくりも大切です。
せっかく無申告を解消しても、毎年の記帳や確定申告を再び後回しにしてしまえば、同じ状態を繰り返す可能性があります。
自分で毎年管理するのが難しい方は、 記帳から確定申告までまとめて税理士に任せる 方法もあります。
無申告を解消した後の確定申告はタクバツへ 今年分からは、毎年の記帳・確定申告をため込まないようにすることが大切です。
確定申告をできるだけ丸投げしたい方は、タクバツもご検討ください。
タクバツのサービスを見る

まとめ|無申告の対応実績と「どこまで任せられるか」で税理士を選ぼう

無申告に強い税理士を選ぶときは、単に料金や事務所の知名度だけで決めるのではなく、 現在の自分の状況に対応できるか を確認することが大切です。
特に確認したいのは、無申告の対応実績、複数年への対応、資料が不足している場合の対応、税務署とのやり取り、料金体系、相談のしやすさ、申告後の納付まで相談できるかという7つです。
何年も申告していなかったり、資料が揃っていなかったりしても、そのことだけを理由に相談を先延ばしにする必要はありません。
まず現在の状況を整理し、どこから手を付ければよいのか税理士へ相談することが、無申告を解消する第一歩です。
何年も無申告でお困りの方へ 無申告・決算相談Laboでは、個人事業主・法人の無申告や税務署対応についてご相談いただけます。 無申告について相談する

👉 無申告や税務調査についてさらにわかりやすく解説した動画を YouTubeチャンネル で配信しています。ぜひご覧ください!

この記事を書いた人

武信 隼人(たけのぶ はやと)
武信 隼人(たけのぶ はやと)公認会計士・税理士
所属 公認会計士協会中国会 中国税理士会
公認会計士  第31637号
税理士 第128479号

1977年広島県呉市生まれ。会社が倒産した祖父と同業で起業した父の後ろ姿を見て育つ。青山学院大学経済学部卒業後、大手監査法人で幅広い業種の監査やコンサルティング業務を経験。その後、祖父及び父の経営していたような中小企業や個人事業主・フリーランスを助けるべく奮闘中。
日本全国の無申告・税務調査の対応件数は過去4年間で700件以上。IT/AIを駆使した業務効率化とサービス提供を行い、多くのお客様に最善のサポートを行っている。

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