株式会社とは?設立の流れやメリット・デメリットを解説!

株式会社は、株式を発行して資金を調達し、その資金で経営を行っていく会社です。つまり、会社の出資者と会社の経営者は違う存在ということになります。これを所有と経営の分離といいます。

所有と経営の分離のメリット・デメリット

  • 所有と経営の分離のメリット

経営の客観的な評価を取り入れることができ経営者の独走を防ぐことができます。また、広範囲な資金調達が可能になり人材を幅広く雇用することが可能になります。

その結果、経営効率が良くなり多様な事業展開を効率的に進めることができます。

  • 所有と経営の分離のデメリット

中小企業において事業用資産と個人資産が混在しているケースがあります。そのため、経営を後継者に承継した後に、株式を保有するオーナーの個人資産を担保に新たな資金を調達する可能性があります。

また、中小企業の強みである俊敏性が所有と経営の分離によりオーナーの許可を必要とするせいで失われる可能性があります。

また、経営者や従業員の努力で企業価値が上がったとしても利益を享受できるのは株主です。経営者や従業員のモチベーションは上がりにくくなります。

株式とは?

資金を出資してくれた人に対して発行する証明書のことです。株式会社にとって事業資金を得る手段のひとつです。株式を購入した出資者は株式総会への参加が認められ経営の参加が可能になります。

株式には大きく分けて三つに分けられます。

  • 普通株式

株主の権利に制限がなく、一般的な株式です。経営に参加したり配当を受け取ることができます。

  • 優先株式

普通株式よりも普通株式に優先して剰余金の配当や、残余財産の分配が得られる株式です。

優先される代わりに、議決権の行使には制限が設けられる場合もあります。

  • 劣後株式

普通株式・優先株式よりも優先順位が後になる株式です。保有するメリットはあまりないことから引き受けは当該経営者などに発行されることがほとんどです。

株式投資のメリット

  • 売買差益

株式が安価の時に購入し、高値で売却することで利益を出すことができます。

例えば、100万円で購入した株式を時価150万円で売却することができれば50万円の利益を生み出せることができます。

  • 配当金

株式の持分・会社の利益の状況に応じて配当金の額が決定します。ただし、株式によっては配当金がない場合もありますので配当金の有無を確認してから株式を購入するようにしましょう。

  • 株主優待

自社の商品などを株主に贈る制度です。株主優待を受け取るためには企業が定める株数を購入し登録する必要があります。

現在株主優待を行っている企業は現在1500社以上であります。月曜から夜更かしの桐谷さんも約1000社3億円以上の株を保有して株主優待での優待券で生活しています。

  • 議決権

株主総会で行使することで企業の経営に参加できます。一般的には、1株につき1議決権を行使することができます。

株主総会に出席できない場合でも、インターネットやはがきで投票できる場合がありますので確認してみてください。

株式投資のデメリット

元本保証がないため、投資した金額以下になってしまう場合もあります。

また、初期投資にまとまったお金が必要です。配当金が減少・会社の不祥事により株価の価値が激減する恐れがありますのできちんとした知識をもってから投資を行うようにしましょう。

株式会社設立の流れ


株式会社を設立するには、公証人役場での定款の認証と会社登記を法務局に申請することが必要です。

  • 定款とは

会社の憲法のようなものです。会社設立の際に必ず作成しなければならず公証人の承認を受ける必要があります。

定款に載せる内容は絶対的記載事項・相対的記載事項・任意的記載事項があります。

  • 絶対的記載事項

目的・商号・本店の所在地・設立に際して出資される財産の価格またはその最低額・発起人の氏名又は名称および住所が絶対的記載事項です。

これらの項目は、定款に必ず記載しなければなりません。もし、一つでも記載されていなければ定款全体が無効となります。絶対的記載事項は以下の通りです。

  1. 目的
  2. 商号
  3. 本店の所在地
  4. 設立に必要な財産の価格又は最低額
  5. 発起人の氏名又は名称及び住所
  6. 発行可能株式数(定款に定めない場合、発起設立の場合は全員の同意・募集設立の場合は創立総会          の決議で会社設立までに定めなければいけません。)
  • 相対的記載事項

定款に記載されていなくても無効になることはありませんが、規則を作っても、その効力が認められない事項が相対的記載事項です。

会社財産に大きく影響する相対的記載事項を変態設立事項といいます。

  • 任意的記載事項

絶対的記載事項、相対的記載事項以外の事項のことです。法律に反しない限り自由に規定できます。

公証人役場での定款の認証時に必要な書類

  1. 定款3通
  2. 各発起人の印鑑証明書
  3. 収入印紙4万円(電子定款の場合は不要)
  4. 認証手数料5万円
  5. 定款の謄本交付手数料:1ページ250円
  6. 委任状(代理人の場合)

会社登記とは?

会社の商号などの重要事項を法務局に登録することを登記と言います。登記することで一般人も会社の情報を閲覧することができます。重要事項は以下の通りです。

  • 定款

事前に公証役場で認証を受けます。絶対的記載事項などの必要事項が抜けている場合認証を受けることができないため注意をしておきましょう。認証を受けた定款の1部を提出書類とします。

  • 登録申請書

法務局のホームページに書類と記載例があるので、漏れなく記入が済んだら代表者印を押印して完成です。

  • 登録免許納税付用台紙

登録免許納税付用台紙は、登録免許税を納付した際の領収書又は収入印紙を貼り付ける台紙のことです。

納税方法は現金・収入印紙・電子申請の3つの方法を選ぶことができます。
電子申請の場合は台紙は不要ですので現金と収入印紙の場合のみ用意するようにしましょう。

現金での支払いの場合は、金融機関または税務署で納付することができます。
収入印紙の場合は、郵便局または法務局で購入することができます。

  • 資本金払込したことを証明できる書類

払込証明書の記載事項は以下の通りです。

  1. 払込金額の総額
  2. 払込株式
  3. 1株の金額
  4. 日付(資本金を振り込まれた最も遅い日付を記入します。)
  5. 本店所在地
  6. 商号
  7. 代表取締役氏名

払込証明書と通帳のコピーをホッチキスで綴じます。通帳のコピーには銀行名・支店名・預金種別・口座番号・口座名義人・資本金の振込内容がわかる箇所をコピーします。各ページの境目にも代表者印が必要になるため準備しておきましょう。

  • 就任承諾書

就任証明書は各取締役がその承認を承諾することを記載した書類です。

就任承諾書は法務局のサイトでダウンロードすることができます。また、取締役会を設置する場合、しない場合で書類が変わります。

取締役を設置する場合

代表取締役は実印を押印し、印鑑登録証明書を添付します。その他の取締役は、認印を押印し、本人確認書類を添付します。

取締役を設置しない場合

取締役全員実印を押印し、印鑑登録証明書を添付します。

監査役を設置する場合

認印を押印し、本人確認できる住民票記載事項証明書や運転免許証等のコピーなどを添付します。

  • 印鑑届書

会社の代表印を法務局のサイトにある印鑑届書に押印して届け出ることで会社の実印として使用できるようになります。

  • 記載事項を別途記載した用紙または、記録したCD-Rなど

記載してほしい内容を法務局に知らせる方法は、オンラインで提出する方法、電子記録媒体に記録して提出する方法、用紙に記載して提出する方法があります。

全ての書類がそろったら

書類はさだめられた順番でまとめ提出しなければなりません。

登記申請書・登録免許税納付用台紙・公証役場の認証を受けた定款・資本金の払込証明書および通帳のコピー・就任承諾書・印鑑証明書などの添付書類を提出し、不備がなければ申請から1週間~10日ほどで法人登記が完了します。

  • 設立後の注意点

法人登記完了後、税務署への届け出・各地方自治体への開業届・社会保険への加入が必要になります。これらは、提出期限が短いため登記の申請中に準備をしてきましょう。

まとめ

  • 株式会社は所有と経営の分離を採用しています。
  • 株式投資のメリット・デメリットがあり損する場合があるため慎重に行うようにしましょう。
  • 株式会社設立・せつりつ必要な書類は全7種類です。
この記事の執筆者
武信 隼人

武信 隼人

税理士事務所CUBE 代表税理士 / 無申告Labo監修

個人事業主・フリーランスの確定申告、無申告、税務調査対応に強みを持つ税理士。 これまで多くの税務相談・申告対応を行ってきた実務経験をもとに、無申告決算相談Laboの記事監修を担当しています。 専門性だけでなく、わかりやすさと安心感のある情報発信を大切にしています。

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この記事を書いた人

武信 隼人(たけのぶ はやと)
武信 隼人(たけのぶ はやと)公認会計士・税理士
所属 公認会計士協会中国会 中国税理士会
公認会計士  第31637号
税理士 第128479号

1977年広島県呉市生まれ。会社が倒産した祖父と同業で起業した父の後ろ姿を見て育つ。青山学院大学経済学部卒業後、大手監査法人で幅広い業種の監査やコンサルティング業務を経験。その後、祖父及び父の経営していたような中小企業や個人事業主・フリーランスを助けるべく奮闘中。
日本全国の無申告・税務調査の対応件数は過去4年間で700件以上。IT/AIを駆使した業務効率化とサービス提供を行い、多くのお客様に最善のサポートを行っている。

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